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そのまま次のグループに入っていくとき。例の7番から睨みつけられていた。なんでかは知らないし、正直ライバルみたいな存在だったから対抗心から徹底的に無視を決めた。
それを見てかそのうち視線は感じなくなった。
オーディションが終わると、7番は社長に声をかけられて合格を伝えられていた。｢君いいよ｣だなんて言葉をかけられていて、羨ましいと思うと同時に悔しさがグッと上がってきた。
なんでオレじゃないんだろう、オレだって頑張った、本番でやるのは初めてだった前宙だってやってみせた。なのに、それでも目に止まったのは7番らしかった。
｢それじゃあ聞いて。今から結果発表します、不合格の方は帰ってください。｣
ついに来た。合否はその場で伝えられるらしい。
緩んでいた緊張感が引き締まる感覚。
｢2番、7番、9番、14番。以上が合格者です、呼ばれなかった方はお帰りください。お疲れ様でした。
また、呼ばれた方はこちらへ。これからの説明を行います｣
｢…ッ！ や、った…｣
無事呼ばれて、一先ず安堵が全身を覆う。そりゃあこのメンバーだったら上位には入っているとは思ってたけど、それとこれとは別物だ。
先程から呼んでいる人の所へ向かい、話を聞きに行く。
7番だけ居なくて辺りを見渡していたら、社長もいないことに気がついた。どこに行ったんだろう。社長は忙しいだろうからいなくなるのは分かるけど、7番までいないの？……そんなにお気に入りになっちゃったの？
オーディションに受かったのが嬉しかったはずなのに、その気持ちは深い闇に覆われるように、じんわりと心を侵食していった。
………
｢おかえり、どうだった？｣
｢、受かった、けど｣
｢うん、なあに｣
家に帰ってから母さんが出迎えてくれる。
道中の電車も、住宅街も。自分の足で帰ってきたはずなのに、記憶が曖昧で、ふんわりしてて、心がぎゅっとなって。
玄関に足を踏み入れたときに、思わず足の力が抜けそうになった。それでも踏み直せたのは怪我が嫌だったこと、母さんがすぐ側に居てくれたこと。
優しく包み込んでくれる母に涙がこぼれそうになって。でも小学六年生になったんだから泣くのは恥ずかしくて悔しくて。
｢オレより、上手いやつがいて。そいつがオーディション終わったあと社長に声掛けられてたの。その後集まった時そいついなくて、なんでですかって聞いたら早速お仕事やらせてみるんだって。お気に入りかもね、って｣
ずるい、羨ましい、悔しい
ずっと、ぐるぐる
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作者名：日記予定表 | 作成日時：2024年3月30日 4時
