最強メンタルの最高傑作な紅一点【雪男】（33）

名探偵宮舘 ページ43

宮舘side

最近は雨が多く偏頭痛持ち達が辛そうにしているのを良く見かけ、Aに至ってはそろそろひな祭りが始まる頃だから精神面もちょっと心配でAがレコーディングの時に見学として様子を見に来たら先客がいた。


舘「阿部だ。おはよう」
阿「舘様も来たんだwおはよ〜」
舘「荷物多くない？」
阿「阿部ちゃんマンのAケア特性セットです」
舘「なるほど？」


A本人は既にブースの中にいて収録してる真っ最中。ブース内から目が合って軽く手を振るといつもなら腕もげそうな程大きく元気に両手を振るけど今は片手を上げて軽く手首だけを振ってる。
何てわかりやすい体調不良者なんだろう。


阿「雨で頭は痛いし、生理痛はいつも通り酷いし、おまけに今日は寒いから近年稀に見る絶不調だよ」
舘「どうりで顔色が死んでるわけだ」


そんな体調でも聴こえてくる歌声はいつも通りの「完璧」で目を閉じれば絶不調なんて気づけない。
普段がやりたい放題な我儘娘な分こういう時は素直にAを尊敬する。
体調が良くないから巻きで終わらせるのかと思いきやいつも通り持ち時間を全て使い少しでもより良い物を作り上げた。


『舘たまおは〜』
舘「おはよう。お疲れ様」
『阿部ちゃんマーン』
阿「おいで〜」
『んに〜…』
阿「寒くない？毛布出す？あ、バナナ食べる？」
舘「今日はいつも以上に至れり尽くせりじゃない？」
阿「そんな事ないよ」
『阿部ちゃんタクシー』
阿「はーい。舘さんごめん、荷物お願いしていい？」
舘「いいけど…Aに何握られてんの」


Aを背負い俺に荷物を預ける阿部。確実に何かAに弱みを握られてる。
阿部ってわりとちゃっかりしてるからな…翔太やふっかみたいに黒歴史を握られてるというよりかは2人共有の秘密ごとってとこかな。

結構2人で旅行行ったりしてるし…ホテル部屋別と言いながら実は一緒とか、阿部は可愛い格好のA気に入ってるから頼んで着てもらってるとか…その辺かな。俺らにバレたら面倒くさい系。



舘「照にバラされないように頑張って阿部ちゃんマン」
阿「…はーい」
『あれ？舘たま内容知ってるん？』
舘「いや、見当はついてる。2択」
『してその2択は』
舘「旅行先ホテル同室、可愛い格好のA連れ回し」
『さっすがちゃんと正解が入ってんで阿部ちゃんマン』
阿「舘様、今日ご飯行かない？」
舘「ごちそうさま」


弱みで動かさなくても阿部も俺も他の皆も喜んで支えるのに何でこの子はいざという時こんなにも甘えるのが下手なんだろうねw

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