恋慕-affection-

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絶対にない。


そう言いきれなかったのは彼の言葉の中に、なんとなく感じることがあったから。


また2人でご飯に行きたいとか。


私といるとすごく楽しいとか。


もっと仕事以外の私のことを知りたいとか。


全部曖昧な返事で誤魔化したけど、そういうことなのかな。


でも私はそんなモテキャラくんから好かれるようなタイプではない。


目立つのは嫌いだし、お話も苦手だし。


昼休みに桃香が変なこと言うから午後からの仕事で更に持田くんのことを考えて、見てしまった。



「直ってないです？寝癖。」


「ううん。綺麗になってるよ。」


「そうですか。」



いかんいかん。


仕事に集中せねば。


今日は残業もなく定時であがることができた。


お姉ちゃんに"スーパー寄って帰ります。"とチャットを送って会社を出る。


するとすぐに返事が来て、"ドライヤー壊れた…。"と泣いている絵文字付き。


電器屋さんにも寄って帰ろう。



「んーと、ドライヤー…ドライヤー…。」



売り場を見つけてたくさんある種類の中からどれにしようかと悩む。


長く使うんだから1番安いのってケチるより性能を見た方がいいよね。


お姉ちゃんは子どもを産んでから自分にかけられる時間が大幅に減って、肌荒れとか髪の傷みで悩んでたし。

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