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「よし。きれいになったね!」
唇が重なったのは本当に一瞬だった。
一瞬だったのに、スローモーションに見えた。
「ちゅー、しちった。」
「…大介くん、顔真っ赤だよ。」
「きゃー。見ないでーっ。」
思わず笑みをこぼすと、大介くんが私の頬にふんわりと触れた。
「これからも俺が笑わせたる。」
「…関西弁。」
「あぁっ!康二のせいでかっこつかなかったんだけど!もーどうしてくれんの〜。」
悔しがる顔がわざとらしくて、指摘したらぺろりと舌を出した。
「Aちゃんはやっぱり、笑ってる顔がいっちゃんかぁいいね。」
「…ありがとう。」
「兄ちゃんたちに報告しなきゃだね。」
「ごはん、食べに来る?」
「…!行く!行こう!今すぐ行こう!」
「その前に買い物、」
「チンジャオロース食べたい。」
「大介くん、ハマるとそればっかり。」
「んえ?Aちゃんの作るやつにハマってっからあの日以来食べてないよ?」
「…、」
「Aちゃんのごーはんっ!Aちゃんのチンジャオロースっ!たーのしーみたーのしーみわーい!」
小躍りする大介くんを見つめながら、恋人になれたことを噛み締める。
すると私を振り返ってフッと微笑んだ。
「ご飯食べたらさぁ、」
「…っ、」
「またここに連れて帰ってもいーい?」
明るい口調とは裏腹に艶っぽい表情。
私は小さく頷いた。
Fin
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minese(プロフ) - ありがとうございます、助かりました (5月2日 12時) (レス) id: 8f46ce7c6e (このIDを非表示/違反報告)
涼-suzu-(プロフ) - mineseさん» 題名は『玉響-moment』です(* ᴗ͈ˬᴗ͈)” (5月2日 12時) (レス) id: 6a2e5ac073 (このIDを非表示/違反報告)
minese(プロフ) - 題名を教えてください (5月2日 11時) (レス) id: 8f46ce7c6e (このIDを非表示/違反報告)
minese(プロフ) - そうなんですか⁉ありがとうございます (5月2日 11時) (レス) id: 8f46ce7c6e (このIDを非表示/違反報告)
涼-suzu-(プロフ) - mineseさん» 目黒くんのお話ありますよ!お手数ですが私の作品一覧を見ていただければと思います。 (5月1日 16時) (レス) id: 6a2e5ac073 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:涼-suzu- | 作成日時:2024年4月7日 16時