春風と太陽と月光2 (ページ2)

今日:32 hit、昨日:38 hit、合計:6,672 hit

．ページ2

保安検査場に向かおうとしていたAを大きな声で呼び止めると心底驚いた顔をしていた。 

マスクと帽子をつけてペディンを着ているけれど、衣装を着てメイクをしている俺たちに芸能人だと気づいた人もいると思う。 

驚いて人ごみをかき分けて駆け寄ったAに二人して抱き着き、周りが驚くくらい三人で泣いた。

 大切な宝物が手から離れていく寂しさに三人とも襲われていたのだと思う。 

「ミニョンもヒョクもこんなところまで来ちゃダメなのに。私の為にありがとう」 

MK「A絶対うまくいくから、おびえないで。近くにいなくても一番の味方だから」 

HC「健康に幸せに過ごしてくれたらそれだけで十分だから。できるだけ穏やかな日々を過ごして」

 「二人も体に気を付けて、無理しないで。いつだって愛してるよ」

 人も集まってきて、これ以上はいれないと遠くにいるマネージャーが近づいてくるのを見たAは「いってきます」といって離れた。

 MK「何も用意できなかったけどこのチェキ持って行って」 

「ありがとう！」 

撮影現場にあったチェキを借りてツーショットと空の写真を撮って二人でメッセージを書いた。

また泣きそうな顔になって、でもきゅっと顔を引き締めて歩み出したAの背中は本当に素敵だった。

 見えなくなる瞬間に、二人で意図せず同じタイミングで叫んだ。

 「「Aがんばれ！ここで待ってるからな！」」

 Aはガッツポーズをして扉の奥に消えた。

勝手なことをしたから、怒られるかなとおもってマネヒョンのほうを見ると、よくやったと言って頭をわしゃわしゃされた。