12*ryota* ページ12
「ねぇ、壊したらごめんね?」
「え?何を?
これ、壊すとしたら、たぶん私だよ?」
「いや、それ、壊されたら、さすがに困るんだけど。」
阿部とあんな話をした夜。
Aがまた、俺の家にいる。
彼女は今、キッチン。
コーヒーメーカーで、コーヒーを淹れている。
俺の隣で。
「それ、壊しようがないよね?」
「うーん。うちにもね、同じのあったんだけど、
なんか、壊れちゃったんだよねー。」
「………やっぱり、なにもしなくていいよ?」
「コーヒーくらい淹れさせてよ!」
「ううん。もう、大丈夫。
ここに居てくれれば、それでいい。」
「……壊さないってば。」
「………ねぇ。」
「ん?」
「……キス、しよっか。」
「なに?突然!」
「したくなるって、言ったじゃん。」
恥ずかしそうに俺から視線を反らしていったから
顎先をくいっとこちらへ向けて
「ちゅ、」と触れるだけのキスを落とした。
「……キス、好きだね、ほんと。」
「うん。……壊したらごめんね。」
「……さっきから、なに?それ。」
「んー。
実は、ちょっと、悩んでんだよね。俺。」
「え?悩み?どうしたの?」
「………あなたを、壊してしまうんじゃないか、って、悩み。」
「へ?」
「……この、唇も
この、華奢な身体も。」
親指で、唇をなぞって
そのまま、肩を撫でれば
「……、……」
ピクッと反応を示すから
「はぁ。」と思わずため息。
「それだよ、それ。」
「へ?」
「それがさ、俺を煽るのよ。」
「……そんなこと、言われても……」
「抱きたくなんの。
欲しくなんの。
もっともっと、って、なんの。」
「………いいよ?」
「………ねぇ。」
「……だって……
私も、だもん。」
「え?」
「……私だって、涼太くん、欲しいし……」
「………ねぇ、もう。」
「……壊してもいいよ?」
「困るよ。」
「……涼太くんになら……
殺されても平気。」
「………ねぇ、ほんと、どうなってんの?」
「………引いた?」
「ううん。
それを、嬉しいと思ってる俺に、引いてる。」
「……涼太くん。」
「ん?」
「好き。」
………あぁ。
もうダメだ。
俺は、この恋に
この人に
どこまでも落ちていくんだ。
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HANA*(プロフ) - りさん» 最後までありがとうございました❤️次の🤍ちゃんもお楽しみにー😊✨ (4月21日 16時) (レス) id: d37919878c (このIDを非表示/違反報告)
HANA*(プロフ) - こじまるさん» 今作も、最後までありがとうございました❤️ロイヤルサンド、私も食べたいなぁ🌹🤣次回🤍もお楽しみにぃ😊✨ (4月21日 16時) (レス) id: d37919878c (このIDを非表示/違反報告)
り(プロフ) - 完結おめでとうございます‼︎最後の最後まで国王は甘かったですね🥰 阿部ちゃんとの会話意気投合してるって思いながら読みましたw 主人公ちゃん幸せになってよかった❣️最後ラウちゃんとのお話楽しみにしてます☺️ (4月20日 21時) (レス) @page19 id: 3fdd874ee5 (このIDを非表示/違反報告)
こじまる(プロフ) - お疲れ様でしたー❤️だてだてが甘すぎて…きゅん❤️✨私もだて様が作ったサンドイッチ食べたーい!!つぎはラウくん✨楽しみにしてまーす😊🎶 (4月20日 20時) (レス) @page18 id: 93d95d1476 (このIDを非表示/違反報告)
HANA*(プロフ) - うめさん» 読者さまを悶絶させたい💚❤️とか言って 😂 笑 (4月19日 13時) (レス) id: d37919878c (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:HANA* | 作成日時:2024年4月16日 16時