続 Sugar ＊ryota＊

17 ページ17

"ブォーーー"



丁寧に髪を乾かしてくれる涼太くん。




鏡越しに目が会う度に……





「ふふふふ、笑」




「……笑ってんじゃないよ。」




「だって。笑」




「…………」




「あははは！笑」




「だっから、笑うなって言ってんでしょうが。」




「だって、笑わせてるじゃん！」




そう、



鏡越しに目が合う度に、



斜に構えて、スン、とした表情をしてくる。




あ、たぶん、ロイヤルな顔。




これ、明らかに笑わせに来てるじゃない。





「失礼ですね。ほんと。

ただ、見てるだけでしょうが。」




スン。





「あは！笑

お腹痛い！やめて！」




笑う私を、優しい顔で嬉しそうに見てくる涼太くん。



それに、キュン、とする。





「………ほら、終わったよ？」




「あ、ありがと。

じゃあ、今度は私の番！」




ドライヤーを受け取って、場所を入れ替われば




「変な髪型にしないでね？」




「しないよ！なんでよ！」




「だって、この前、乾かしてくれた時、完璧な七三にしたじゃん。」




「あれは、横から乾かした方がいいのかなぁ、ってやってみたら、

完璧な七三になっちゃっただけだもん！

でも、似合ってたよ？七三。笑」




「いや、笑っちゃってんじゃん。」




「今日は、どうしようか？

あ、オールバック？」




「やめて。」




「ワイルド涼太くんには、似合うと思うけど。」




「ワイルドで、売ってないんですよ。俺。」




「貴族の髪型って、どんなの？」




「もう、普通に乾かしてくれ。」




「ふふ、笑

残念！笑」




スイッチを入れて




"ブォー"と音をたて始めたドライヤー。





「ふふふふ、笑」




「…………」




「あはは！笑」




また、鏡越しに目が合う度に


スン、顔。




時々、涼太くんも笑っちゃってるし。




「やめてよ！笑」




「何にもしてないでしょうが。」




「してる！笑わせてきてる！笑」




「ははは！笑」




ついに、彼も笑い出した。




「ほら！自分で笑ってるじゃん！」




「はぁー、可笑しい。笑」




「はぁー、楽しい！笑」




私の"楽しい"に、



目を細めて、笑う涼太くんが




愛おしい。

LAST→←16＊ryota＊

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す