紅一点×SnowMan⑨ (ページ45)

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「てか、ソーシャルディスタンス言われてるんだからダメだって。」

距離を保ちながら蓮に言うけど、
彼はぐいっと私に近づいてきた。

『帰されても困るよ。ちゃんとコロナの検査はして陰性だし、体調悪くないから。』

そう言われて帰せないことを蓮は知っている。

「どうぞ。」

私は蓮を部屋の中に入れた。

『良かった。俺の洗面道具捨てられてなかった。』

「流石にそんなことしないって。」

鏡の裏に隠している男物の洗面道具は
ほとんど蓮のものだ。

コロナ禍になってからは来なくなっていたけど、
それまではかなり頻繁に来ていたから。

『お腹空いたんだよねー。』

「座ってて。」

結構廉がご飯を食べに来ることが多いから、
作り置きを頻繁にするようになっていた。

その中から蓮が好きそうなものをチョイスして
プレートに載せる。

『うわっ。めっちゃ豪華。この短時間で出てくるのやば。』

「ほとんど作り置きだよ。」

いただきますの声のあと、
すぐにうまっという声が聞こえて、
それからはただただご飯を無言で食べ続けている。

私もオールアップとドラマの撮影で
お腹空いていたから食べ始めた。

『今日なんの仕事してたの？』

「ドラマと映画。映画が今日オールアップした。」

『あ、北斗くんとのやつ？』

「そう。」

『なるほどねー。あれはみんな荒れていたね。』

「ね。恋愛映画だからかな。」

『そうだよ。もう北斗くんとは何もないの？』

「ないよ。」

コロナ禍で人が訪ねてくることはまずない。
蓮と廉が例外すぎる。

『ふーん。』

聞いておきながら、蓮はそこまで興味なさそうだ。

そのままお風呂にお互い入って髪の毛を乾かして。
いつも通りに寝る前のルーティンを過ごす。

『久しぶりだから、やばいかも。』

「、、、。お手柔らかに。」

その言葉で蓮は私をお姫さま抱っこして
寝室に連れていく。

『ほんとかわいい。』

「、、、恥ずかしいよ。」

蓮が私に深く口付けをしていく。
久々の彼の温もりに溺れていった。